ガイドブックには載っていない、ベトナムの素顔。

トゥーユー病院出産記

入院5日目・退院。ベトナムの出産事情

入院5日目にして、めでたく退院できました。

料金は全部で400万ドン(当時のレートで2万円強ぐらい)少々。外資系の高級病院の10分の1です^^。設備は野戦病院レベルですけど、でもこれで毎日数百人も、ちゃんと問題なく赤ちゃんが生まれてるんだから、人間ってのは強いもんなんですね。日本が逆に過保護?過ぎるのかも・・・。

さて、ベトナム(ホーチミン市)の出産事情ですが。


入院3日目・ベトナム式?新生児の扱い方

入院3日目。やっと1ベッド2人の野戦病錬から、1ベッド1人(でも大部屋)のプチVIP病錬(?)へ移動しました。

ベトナム式?、新生児の扱い方は、多分日本とはかなり違うのではと思うので、びっくりしたことを書いておきます。

1.生まれたらすぐ、間違えないように油性マジックで足にでっかく母親の名前を書く。確かにこうすれば赤ちゃんとり違いなんて起こりようもありませんが・・・。いいんですか、油性マジックで!?ちなみのこの名前、1ヶ月以上消えませんでした・・・。

2.消灯してはいけない。新生児は飲んだミルクをもどしてしまうことがあるので、監視(?)のために決して暗くしてはいけないそうです・・・。病院にも、消灯時間はありませんでした。一日中、電気は煌々とついています(笑)。

3.病院食はない。お母さんの食事は、家族が弁当を作ったり買ったりして用意します。

4.母子別室ではない。まあ日本でも母子別室とそうでない病院がありますが、ベトナムは100%母子同室。そもそも、別れ別れにする理由が、ベトナム人には理解不能みたい。

5.調乳指導やら沐浴指導やらの教育は、一切なし。なにやら薄っぺらい冊子を渡されるだけです・・・。まあ、うっとおしくなくていいかも。

6.1名のみ、家族の泊まりこみ付き添いOK。ただし他の家族も、廊下とかロビーとかに適当に宿泊できてしまう(笑)。

日本の病院では(たぶん)考えられないことだと思いますが、ベトナムのローカル病院では当たり前。普通の日本人が見たら相当驚くと思いますね^^。



入院2日目・一丁上がり・・・

入院二日目の午後、家内はベルトコンベア式の出産ライン(帝王切開ですから・・・)に乗せられ、出産に臨みました。

このトゥーユー病院では、出産の立会いはできません。まあ僕ももともと立ち会うつもりはなく、しっかり仕事に行ってたんですが・・・。我ながらヒドイ旦那だ。

で、夕方仕事が終わってから上の娘を連れて、病院へ。付き添いに田舎から来てもらっていた親戚のおばちゃんが待合ロビーにいたので、合流。そこには大型テレビがあり、出産した人の名前と本籍、子供の性別が表示されます。

なんだか次から次へと、すごい勢いで名前が表示されます。一日数百人の子供がこの病院で生まれるらしいんで、ホントに「一丁上がり!」ってな感じですね・・・。

このロビーの雰囲気も、日本の病院とは大きく異なり、家族でお弁当やら何やらを食べながら、なんか公園のピクニックみたい。夜は付き添い家族の簡易宿泊場と化し、ゴザを敷いて雑魚寝状態です。

日本の病院のように、分娩室(って言うんですか?)の前で家族が心配してオロオロしいている・・・なんて場面は全くありません(笑)。

で、午後6時ごろ、テレビ画面に我が家内の名前が登場。おばちゃんと「よかった、よかった」と喜び合い、しかしどうしたらいいかわからず、待つこと数時間(笑)。「あたしが泊まってくから、あんたは子供を連れてお帰り」と言われ、帰宅しました。

そして、真夜中。突然病院の医師から、僕の携帯に電話が・・・。時が時だけに飛び起き、悪い予感に手が震えましたが、「生まれたから見に来い」、それだけ。って、2時半じゃねえか(爆)。

とりあえず病院へバイクで行きましたが、受付ももちろん開いてないし、どこへ行ったらいいのか皆目わからず。しかたなしに、例の巨大な野戦病院の病室(笑)を一つ一つ回り、ようやく発見。

無事生まれた息子に、めでたく対面できました。



入院一日目・野戦病院・・・Σ( ̄ロ ̄lll)

2006年12月に、家内がホーチミン市(おそらくベトナム全土で)最大の国営産婦人科医院、Tu Du(トゥーユー)病院で2人目の子供を出産しました。

どうしてこの病院を選んだかといえば・・・。一番近かったから(爆)。それにローカルの病院で安いし。外資系の病院だと、出産前の検査から出産までのパッケージで2000ドル。ローカルならその10分の1ぐらいですからね。父ちゃん甲斐性ナシでスマン、息子よ。

それでも、このトゥーユー病院は、ホーチミン(おそらく全土のローカル病院)の中で一番技術の高い病院らしいです。が、実態は・・・。

実体を見れば、日本人ならまずここで出産しようとは思えないはず。評判のせいか朝から晩まで人でごった返し、とにもかくにも人・人・人・・・。言葉は悪いですが、なんかブロイラーが卵を産むような感覚で子供が生まれています。まあうちの子も、そのブロイラーの卵のワン・オブ・ゼムになったんですが^^。

児童病院と同じく、ここも一般入院病錬は1ベッド2人寝広~い部屋に数十ものベッドがならび、ベッドとベッドの感覚はほとんどなし。しかもそれだけでは全然足りないので、通路にも廊下にも(外廊下なので、実質屋外・・・)組み立て式ベッド(海の家にあるようなデッキチェアみたいなやつ)をズラ~っと並べて、まさに「野戦病院」そのものの感を呈しています(笑)。

ナースコールなし、食事なし、空調ナシのないないづくしに恐れをなし、エキストラチャージを払って1ベッドを占有できるプチVIP病室に移動を希望しましたが、この日は空きがなく、結局野戦病院(一般病錬)泊となりました。

ちなみにこのTu Du(トゥーユー)病院、自然分娩はほとんどされていないようで、ほとんどが帝王切開による出産のようです。ベルトコンベア式に子供を取り上げていく、という表現がかなりぴったりだと思いますね。



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