ガイドブックには載っていない、ベトナムの素顔。

ベトナムの年金制度

ベトナムでは労働法で、男性60歳、女性55歳が定年と定められています。20年以上社会保険料を納入した場合は、定年後に年金がもらえ、月額は各種条件によって若干の違いがありますが、50万VND(約2600円)になります。

しかし・・・。

一般の人は、ほとんど年金制度には加入していません。日本の国民年金ような、皆年金ではないということですね。

といういのも、ベトナムの年金制度は、1995年以前は軍人・政府の役人・公務員に対してのみ支給されるものであった、という社会事情が、ひとつの原因として考えられます。過去の職業経験、教育状況、戦争体験により、社会保障制度の恩恵にあずかれるかどうかが左右されている現実があるとも言えるでしょう。

そのような背景から、ベトナムの年金制度はまだ十分整備されているとは、決していえません。

現在でも、年金受給対象者は労働者のみで、自営業者や農家、学生にはありません。

そういった背景や、儒教に基づいた伝統的な家族制度(家族・親戚間の相互扶助)が色濃く残っていることも、年金制度が発達しない一因かもしれません。

ただベトナムのお年よりは、なかなか元気です。2007年の統計によると、60歳以上の男性の75%、女性の66%が何らかの経済活動に参加しており、1週間の平均就労時間は約36時間だそうです。


TOPPAGE  TOP 
RSS2.0