ガイドブックには載っていない、ベトナムの素顔。

ベトナムの学校制度

ベトナムの学校は、5,4,3年制です。つまり、小学校5年、中学校4年、高校が3年。

このなかで義務教育とされているのは、小学校の5年間です。ただしハノイやホーチミンなどの大都市では、高校まで進学するのがほぼ「当たり前」となっていますが、地方都市、特に農村部では、小学校を卒業していない子供も少なからずいます。

特に農村部の女子に、義務教育を修了していない子供が存在するようです。やはり「女に教育は要らない」という古い考えが残っている地方もあるようで、私の家内の親戚筋(中部フエ地方)でも、小学校をでていない女の子がいくらかいます。

ベトナム政府も就学率の向上に力を入れていますが、まだ政府の力の及ばないところがあるようです。

ただし識字率は東南アジア諸国でダントツに高く、若い世代では100%に近いくらいまでになっています。

これには政府の努力などさまざまな要因がありますが、その大きなものの1つが、ベトナム語の読みやすさだと思います。

ベトナム文字は、英語とほぼ同様のアルファベットで表記されるので(ただし、ベトナム語特有の声調符号などがつきます)、高等教育を受けなくても、とりあえず読むことはできます。実際、家内の親戚の、小学校を出ていない女の子も、普通に新聞を読んでいます。

日本語の場合、常用漢字が2000近くあるので、新聞の社説をまがりなりにも読めるようになるには、やはり中学校では足りないでしょう。

かつては、ベトナム語は漢字表記で(正確には、中国の漢字をさらに複雑化した文字)、読み書きは知識人階級のみができるものでした。しかしフランス殖民時代にアルファベット表記が導入され、これにより文字が庶民の手の届くものになり、飛躍的に識字率が上がったと言われています。

フランス殖民の功罪の一つ、といえるでしょう。


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