ガイドブックには載っていない、ベトナムの素顔。

ベトナムの医療・社会福祉事情

3日目・プチVIP病室

ホーチミン第一児童病院入院3日目。吐かなくはなりましたが、依然熱は下がらず・・・。

腰椎穿刺の結果は・・・。

医者の当初の予想通り、ウイルス性脳炎でした。後遺症が残りやすい日本脳炎ではないので少し安心しましたが、でも軽い病気ではありません。

で、この日は病室を移動。エキストラチャージを払って、一人1ベッドを占有^^できるプチVIP(?)病室に移動しました。前の一般病錬は一日5万ドン(約300円)。移動した部屋はいくつかあるランクの中の上ぐらい、12万ドン(約650円)。6人部屋で室内に共同トイレ、テレビと屋上のファンがついています。日本の病院だったら下の下かもしれんですが、ここではプチVIP(爆)。

ちなみにエアコン付のVIPルームだと1日20万ドン(1100円ぐらいかな・・・)。正月のこの時期は涼しいので、まあエアコンはナシでいきました。

こうして落ち着いたところで病院を観察してみたのですが、夜の様子が昔僕が登山をしていたころによく似ているな、と。

ロッククライミングとかをしていて岸壁の岩棚で寝るときなど、ツエルトという簡易テントを吊って寝ます。テントというより、テントの形をしたペラペラのナイロンシートなんですが、こんな感じで。

bibake.jpg


で、付き添い家族が廊下や階段の踊り場下などに、この写真みたいな按配でズラ~っと蚊帳を吊って寝ているわけです。それも1人や2人じゃなくて、数十、いや病院全体で見れば数百人(爆)。

日本では考えられないような光景なわけですが、これもベトナムでは当たり前。写真を撮るのは不謹慎なので撮りませんでしたが、壮観です。普通の日本人が見たら、思いっきり引くでしょうね^^。

病院のお偉方はみなベトナム戦争で野戦病院を経験したであろう世代なので、こんなの規制しようとも思わないんでしょう。まあ僕もヒマラヤとかけっこう厳しい登山をしていたので、ショックは受けませんでしたが。

やはり日本の病院は恵まれています。


2日目・難民キャンプか野戦病院か・・・

第一児童病院入院2日目、この日は検査でした。

脳炎の検査には髄液を調べねばならないということで、腰のあたりの背骨に注射を刺して中の髄液を抜き取るという、腰椎穿刺をされました。脳腫瘍摘出手術を受けたことのある知り合いによると、これは大層痛いそうで・・・。手術室の外まで泣き声が響いてくるので、かわいそうでなりませんでした。

で、結果は。

明日にならねば出ないとのことで、あとはそのまま入院。この日は一般入院病棟に移りました。

ここだけではないですが、ベトナムの公営病院では、ベッド2人寝は当たり前。付き添い家族は、もし一人でベットを使えるなら子供と一緒に寝る。他の患者と合ベッドになったら、ベットの下にゴザをしいて寝ます。廊下にもゴザを敷いて寝る人がいっぱいで、さながら難民キャンプか野戦病院のようで壮観です(笑)。

ちなみにナースコールはもともとついてません。もし容態が悪くなれば、誰かが伝令に走る、と。

それと、入院患者への食事もありません。これは付き添い家族が用意すべきもの。

こういう状況を見ると、いろいろ批判のある日本の病院も、恵まれているな~とつくづく思いますね。


1日目・第一児童病院入院

ホーチミン市の第一児童病院に、2009年の元旦早々子供がウイルス性脳炎にかかり入院しました。

朝は元気だったのですが、昼ごろから元気がなくなり、顔面も真っ青。水を飲んでも吐くようになり、この時点で熱も38度ほどありました。

とりあえず薬局で吐き気止めの薬を買ってきて飲ませたのですが、飲んでもすぐ吐いてしまうので意味ナシ。夕方には熱が39度台まで上がったため、近所にあるホーチミン市最大の国営児童病院、「第一児童病院」の救急外来へ連れて行きました。

そして診断の結果、脳炎の疑いがあるとのことで、救急病棟の病室にそのまま入院が決定。元旦早々、我が家はいきなりのハプニングでした。

この第一児童病院の救急病室ですが、人工呼吸器の子供や意識がない子供がいたりで、かわいそうで直視できませんでした。この病室の中では、我が子は一番元気なほう。

ちなみに、ベトナムの公営病院では、一つのベッドに2人が寝るのは当たり前。この日は患者が少なかったので1ベッド占有できましたが、患者が多いと2人になります。これはこの児童病院のみならず、家内の出産のときも同様でした。

こんな感じで、まさかの元旦となってしまいました・・・。




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