ガイドブックには載っていない、ベトナムの素顔。

漁民の悲哀・座礁した船を「解体」

(2009年)9月末に台風9号が上陸し大きな被害を出したクアンガイ省。

グエン・タン・ソンさんの家族は半年間悩んだ末に、所有の船を破棄することにした。台風9号の高波で約60トンの船が4キロ内陸の田んぼの中にまで流され座礁してしまったためだ。

zashou.jpg
ソンさんによると、この船の資産価値は約7億ベトナムドン(≒360万円)。しかしこの台風で座礁した船を波止場に戻すには、10億ドン(510万円)以上の経費がかかる。仕方がなくソンさんは、船を解体し全ての設備機器を家へ持ち帰ることにした。

別の船主のグエン・アン・フンさんも、台風9号で座礁した排水量60トン、3億ベトナムドン以上の持ち船を解体せざるを得なくなった。

資産はあっても船に保険を掛けていない漁民が多く、災害に遭うと全ての財産を失ってしまう状況だ。

2009年10月25日付 若者新聞(Bao Tuoi Tre)より


★ ★ ★


台風9号(国際名称は台風16号、アジア名・ケッツァーナ)の被害については、先日のB級ニュースでもお伝えしましたが(こちら)、これも凄いですね・・・。

60トンの船が、ノアの箱舟よろしく4キロも内陸の田んぼの中にぽつんと座礁しています。どうやら津波並の高波だったようですね。恐ろしい・・・。

漁民が生活の基礎となる船を失った経済的・心理的ダメージは計り知れません。この田んぼの持ち主も、海水に浸かってしまった田んぼからは、数年は平年作が望めないことでしょう。

これからこのソンさんの家族がどのように生活していくのかは知る由もありませんが、一日も早く平穏な生活が戻ってほしいですね。


TOPPAGE  TOP 
RSS2.0